1980年代 ドイツ年間ゲーム大賞受賞作 全10作

おすすめ〇選!

今遊んでも面白いゲームって、そもそもどこから始まったんだろう?」「名作と呼ばれるゲームのルーツを辿ってみたい!」と感じたことはありませんか?

数あるボードゲームの賞の中でも、最も権威があるとされているのが「ドイツ年間ゲーム大賞(Spiel des Jahres)」

1979年に創設されて以来、毎年その年に発売された最も優れたボードゲームに贈られてきたこの賞。選考委員会によって選ばれた受賞作は、単なる人気投票ではなく「ルールの分かりやすさ」「テーマとシステムの調和」「幅広い層への訴求力」を兼ね備えた作品ばかりです。

今回は、ドイツ年間ゲーム大賞「1980年代」の受賞作全10作を、1979年の番外編とあわせてご紹介します!

ドイツ年間ゲーム大賞、ここが面白い!

半世紀近く色褪せない「面白さの原型」

1980年代の受賞作は、今のボードゲームと比べるとルールも見た目もシンプルなものがほとんど。しかし40年以上経った今遊んでも「なるほど、これは面白い」と唸らせる普遍的な仕組みを持っているのが最大の魅力です。現代のボードゲームの原型がここに詰まっています。


今の定番ジャンルのルーツが見える

正体隠匿、レース、推理、パズル。今では当たり前になったジャンルの多くが、この時代の受賞作から始まっているのも興味深いポイントです。「あの人気ジャンルの元祖はこれだったのか!」という発見が、歴史を辿る楽しさを教えてくれます。


今なお現役で遊べる名作揃い

1980年代の受賞作は、今もリメイク版や復刻版が発売され続けているものばかり。古いから手に入らない、遊べないということはほとんどなく、実際に手に取って今でも楽しめるという点も、歴史を振り返る記事として大きな魅力です。


番外編:1979年 記念すべき第1回受賞作

本編に入る前に、まずはドイツ年間ゲーム大賞そのものの原点となった、1979年の第1回受賞作をご紹介します。

番外編. うさぎとハリネズミ

初代ドイツ年間ゲーム大賞作品
サイコロを使わない頭脳派レース

引用元:ボドゲーマ

~基本情報~

プレイ人数 2〜6人
プレイ時間 30〜45分
難易度 2.5
ジャンル 戦略手札管理ゲーム賞受賞

うさぎとハリネズミ(原題:Hase und Igel)は、イソップ童話をモチーフにした、サイコロを振らない知的でスリリングなレースゲーム。現在の日本語版は「ウサギとかめ かけひき大レース」というタイトルで発売されています。

進むためにはエネルギーとなる「ニンジンカード」を支払いますが、進むマスが多くなればなるほど、必要なニンジンの数が爆発的に跳ね上がるのが特徴です(例:1マス進むなら1本、10マス進むなら55本)。

ただ猛ダッシュするだけではすぐにニンジンが底を突いてしまいます。あえて「かめ」のように一歩ずつ進んでニンジンを補給したり、時には後ろのマスに下がって大量のニンジンを獲得したりする、絶妙な「加減」が求められます。

さらに、ゴールするためには「手持ちのニンジンをほぼ使い切る」といった厳しい条件があり、最後まで緻密な計算と駆け引きが楽しめます。1979年に初代ドイツ年間ゲーム大賞を受賞した、今なお色褪せない歴史的名作です。

トピスケ
トピスケ

運に頼れないからこそ、計画通りにトップでゴールできたときの快感は格別!
ゴール目前で「ニンジンが余りすぎて入れない!」って絶望するのもこのゲームあるあるだよね(笑)


1980年代 受賞作 全10作

それでは、1980年から1989年までの受賞作10作を、発表順にご紹介していきます。
アブストラクトから正体隠匿、推理ゲームブックまで、当時のドイツゲーム界の多様性が詰まったラインナップです!

1980年. ラミーキューブ

数字を操り、手札をゼロに!
ロジックとタイミングの頭脳戦

引用元:増田屋

~基本情報~

プレイ人数2~4人
プレイ時間30~45分
難易度2.5
ジャンルパズルゲーム賞受賞

ラミィキューブは、数字タイルを使ってセットやランを作り、手札をいち早くゼロにする、1980年ドイツ年間ゲーム大賞受賞のパズルゲーム。世界大会も行われるほどの人気作品です。

場に出ている全てのタイルを組み替えてもOKというルールがこのゲームの面白さの核心。相手が作った並びを崩してでも、自分の手札を減らす組み合わせを探します。

読み合いやタイミング、そして一手で大逆転するスリルも魅力のひとつ。数字が並ぶだけなのに、手番中は脳がフル回転です。パズル的な論理思考が好きな人にぴったりの1本で、家族でもゲーマー同士でも楽しめる懐の深さがあります。

トピスケ
トピスケ

欲しいタイルを引く運も必要だけど頭を使ってじっくり考えるのが好きな人におすすめ!

1981年. フォーカス

わずか5分で生まれた
唯一のアブストラクト受賞作

引用元:ボドゲーマ

~基本情報~

プレイ人数 2〜4人
プレイ時間 10~20分
難易度 1.5
ジャンル アブストラクト戦略ゲーム賞受賞

フォーカスは、名デザイナー・シド・サクソンがわずか5分ほどで考案したという逸話を持つ、1981年ドイツ年間ゲーム賞受賞のアブストラクトゲーム。歴代の大賞受賞作の中で唯一のアブストラクト作品です。

自分のコマを前後左右に動かして相手のコマの上に積み重ねていき、積んだコマの高さに応じて移動できるマス数が変わるというシンプルな仕組み。重なったコマは任意の数で分割して移動させることもできます。

自分のコマが盤上から一色残らずいなくなったら敗北という明快な勝利条件も相まって、頭を使うオセロのような感覚で楽しめる良質な一作。派手さはありませんが、実力がしっかり反映される硬派な作品です。

トピスケ
トピスケ

5分で考えたゲームが大賞取る」ってエピソードだけでもう好きになっちゃう!
アブストラクト好きなら絶対に押さえておきたい歴史的一作だよ

1982年. ザーガランド

木の下に隠された宝物
王様が望む物語を報告せよ

引用元:The Board Game Laboratory

~基本情報~

プレイ人数 2〜6人
プレイ時間 20~30分
難易度 2.0
ジャンル 記憶力運要素ゲーム賞受賞

ザーガランドは、おとぎ話の世界を舞台にした、1982年ドイツ年間ゲーム賞受賞のすごろく×メモリーのファミリーゲーム。デザイナーはアレックス・ランドルフです。

森に立つ13本の木の下には、それぞれおとぎ話のお宝が隠されています。サイコロを振ってすごろくを進めながら木の下をこっそり確認し、王様が求める物語のありかを記憶していくのが基本ルール。3つのお宝を先に報告できたプレイヤーの勝ちです。

子どもが得意な記憶力と、大人も楽しめるすごろくの駆け引きが両立した設計で、家族で対等に遊べるバランスの良さが高く評価されました。絵本のような世界観も相まって、当時のファミリーゲームの完成形と言える一作です。

トピスケ
トピスケ

子どもの方が意外と記憶力で勝っちゃうこと、結構あるんだよね(笑)
絵本みたいな世界観が今見てもすごく可愛いんだ!

1983年. スコットランドヤード

姿なき怪盗を
ロンドンの街で追い詰めろ

引用元:ボドゲーマ

~基本情報~

プレイ人数 3〜6人
プレイ時間 45〜90分
難易度 2.5
ジャンル 心理戦協力ゲーム賞受賞

スコットランドヤードは、ロンドンの街を舞台に1人の怪盗「Mr.X」と、複数の刑事チームが繰り広げる、1983年ドイツ年間ゲーム賞受賞の非対称の追跡劇。

Mr.Xはロンドンの地図上を姿を隠しながら移動し、数ターンごとにしか居場所を明かしません。タクシー・バス・地下鉄という移動手段の使用履歴だけを頼りに、刑事チームが行方を推理していきます。

チーム対1人という非対称な構造を初期のドイツゲームで実現した先駆的な一作で、世界累計400万個以上を売り上げた大ヒット作。「正体隠匿×協力推理」というジャンルの原点として、今なお語り継がれています。

トピスケ
トピスケ

40年以上前のゲームなのに、今でも普通に新品で買えるのがすごいよね!
Mr.Xをやる人の緊張感、一度味わうとクセになるよ

1984年. ダンプフロス

クレヨンで線路を敷き
蒸気機関車のレースを制せ

引用元:ボドゲーマ

~基本情報~

プレイ人数 2〜6人
プレイ時間 60~80分
難易度 3.5
ジャンル 運要素戦略ゲーム賞受賞

ダンプフロスは、紙のボードに専用クレヨンで実際に線路を書き込んでいく、1984年ドイツ年間ゲーム賞受賞の今では珍しい方式のレースゲーム。

ゲーム前半は全員で協力しながら各都市を結ぶ鉄道網をクレヨンで描き込んでいき、路線がある程度繋がったところで後半のレースがスタート。自分が敷いた路線を活かしながら、サイコロを振って目的地を目指します。

他プレイヤーに自分の路線を使わせてお金を稼ぐというちょっとした経済要素もあり、線路づくりとレースという2つのフェーズを1つのゲームで両方楽しめる欲張りな設計。ヨーロッパやロシアなど、複数のマップが用意されていたことも発売当時としては先進的でした。

トピスケ
トピスケ

今の紙ペンゲームの元祖ってこれなのかも」って遊びながら思っちゃった!
クレヨンで線路を引く体験、1980年代とは思えない発想だよね

1985年. シャーロック・ホームズ 10の怪事件

名探偵より早く
10の事件の真相に辿り着け

引用元:The Board Game Laboratory

~基本情報~

プレイ人数 1〜8人
プレイ時間 60〜120分
難易度 2.0
ジャンル 協力ソロゲーム賞受賞

シャーロック・ホームズ 10の怪事件は、ボードもコマも使わない、本と地図と新聞だけで遊ぶ、1985年ドイツ年間ゲーム賞受賞の異色の推理ゲームブック。

プレイヤーは事件のあらましを読んだ後、付属の住所録と当日の新聞を頼りに関係者を訪ね歩き、該当するページを開いて手がかりを集めていくという、まさに本物の探偵さながらの捜査体験ができます。十分な情報が集まったら、名探偵ホームズより少ない手数で真相に辿り着けたかを競います。

コンポーネントの少なさに反してじっくり数時間没入できる作り込みで、発売から40年経った今もBGGの高評価ランキングに名を連ねる異例の長寿作。ボードゲームというジャンルの幅広さを象徴する一作です。

トピスケ
トピスケ

「これもボードゲームなんだ」って最初は驚いたよ!
友達と一緒に読み解いていく時間が本当に楽しいんだよね!

1986年. アンダーカバー

正体を隠しながら
金庫の機密情報を集めよ

引用元:ボドゲーマ

~基本情報~

プレイ人数 3〜7人
プレイ時間 30〜45分
難易度 2.5
ジャンル 正体隠匿心理戦ゲーム賞受賞

アンダーカバー(原題:Heimlich & Co.)は、スパイとなって金庫の機密情報を集める、1986年ドイツ年間ゲーム賞受賞の正体隠匿系すごろくゲーム。デザイナーはヴォルフガング・クラマーです。

プレイヤーは複数いるエージェントコマの中から1色をこっそり担当しますが、手番ではサイコロの目を自分の担当以外のコマにも自由に割り振って動かせるのが最大のポイント。自分のエージェントだけを目立たせず得点させるという、絶妙なブラフが求められます。

終盤には各プレイヤーの正体を当て合う推理要素もあり、「動かし方から相手の正体を読む」という観察力が試されるのも面白いところ。今のパーティーゲームに繋がる正体隠匿の面白さを、早くも1980年代に完成させていた先駆的な一作です。

トピスケ
トピスケ

この時代からもう正体隠匿ゲームがあったんだ」って驚くよ!
最大7人まで遊べるから、大人数の集まりにも良さそう!

1987年. アウフアクセ

荷物を積んで、街から街へ
ヨーロッパを駆けるトラック野郎

引用元:メビウス

~基本情報~

プレイ人数 2〜6人
プレイ時間 60分
難易度 2.5
ジャンル 戦略交渉ゲーム賞受賞

アウフアクセは、トラック運転手となってヨーロッパ各地へ荷物を届け、収入を競う、1987年ドイツ年間ゲーム賞受賞のルート構築ゲーム。

手番では2つのサイコロのどちらか一方の目だけを使ってトラックを進め、荷物の積み下ろし地点を目指します。このときにサイコロの目を余らせてはいけません。いずれかの都市に到着したら場に並ぶ新しい仕事カードを競りにかけられるという仕組みも駆け引きを生みます。

トレーラーを購入して積載量を増やし、複数の仕事をまとめて効率よく運ぶという拡大再生産的な楽しさも味わえる、当時としては経済ゲームの先駆け的な一作。地味ながらもじわじわとハマる中量級の良作です。

トピスケ
トピスケ

地味に見えて効率を考え出すとどんどん夢中になっちゃうタイプだね!
トラック野郎気分で荷物を運ぶの、意外とロマンがあるよ

1988年. バルバロッサ

粘土で形作る、謎かけの傑作
「これは一体何なのかね?」

引用元:ニューゲームズオーダー

~基本情報~

プレイ人数 3〜6人
プレイ時間 50〜60分
難易度 2.0
ジャンル パーティー表現系ゲーム賞受賞

バルバロッサは、粘土細工を使った変わり種の、1988年ドイツ年間ゲーム賞受賞の表現系ゲーム。デザイナーは後に『カタン』を生み出すクラウス・トイバーです。

お題に沿って各プレイヤーが粘土で何かを作り、他プレイヤーからの質問に答えながら、それが何を表現しているのかを当ててもらうのが基本ルール。ただし全員に当てられても、誰にも当てられなくても得点にならないという、絶妙な匙加減が要求されます。

「分かりやすすぎず、難しすぎない粘土細工を作る」という職人技が問われる独特のゲーム性が高く評価され、1988年にはゴールデン・ペッペル賞も受賞。当時のボードゲームの多様性を象徴する、記憶に残る一作です。

トピスケ
トピスケ

カタンを作った人がこんな粘土ゲームも手がけてたなんて意外だよね
「わざと絶妙に分かりにくく作る」のセンスが問われて面白いよ

1989年. カフェ・インターナショナル

各国のお客様を、テーブルへご案内
男女比まで気を配れ

引用元:ボドゲーマ

~基本情報~

プレイ人数 2〜4人
プレイ時間 40〜45分
難易度 3.0
ジャンル パズル手札管理ゲーム賞受賞

カフェ・インターナショナルは、国際色豊かなカフェテラスの席を切り盛りする、1989年ドイツ年間ゲーム賞受賞の配置パズルゲーム。

手持ちのお客様タイルを、対応する国のテーブルへ、なおかつ男女比をなるべく揃えながら配置していくのが基本ルール。同じ国籍で統一できれば得点が倍になるなど、シンプルなルールの中に緻密な計算が求められます。

コマもボードもなく、タイルを並べるだけの手軽さと、じっくり考えさせる奥深さを両立した完成度で、1980年代のドイツゲームらしい洗練されたデザインが光ります。

トピスケ
トピスケ

男女比まで気にしないといけないの!?」って最初は驚いたよ(笑)
タイルを並べるだけなのに、こんなに悩めるのがすごいよね!


ドイツゲーム黎明期の熱量が詰まった1980年代の受賞作の世界、気になる作品は見つかりましたか??

今回ご紹介した11作は、どれも今のボードゲームの礎となった記念すべき作品ばかり。40年以上前の作品とは思えない完成度に、あらためて驚かされます。

今後もドイツ年間ゲーム賞受賞作をご紹介予定です。ぜひまたチェックしてみてくださいね!

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